鉄路は西から東から

鉄分多めの日常とお出かけの記録

2024年が終わろうとしている

少なくとも、仕事に関しては楽しい1年ではなかった。

今年1月から新しい部署に配属された。それなりにやる気を持って着任したのだが、今までの部署とは仕事のやり方や領分が違っていて、戸惑うことばかりであった。体力的にもかなりキツく、3~4時間しか眠れないような日もザラにあった。

「自分はこの仕事に向いていない」。

1~2ヶ月が経つころには、新卒で採用された新入社員のような気持ちに早くも苛まれた。が、慣れた手つきでバリバリこなす先輩たちも初めは毎日憂鬱であったと言うから、だんだん平気になってくるのだろう――。

 

ならなかった。

 

3ヶ月経っても4ヶ月経っても、いや半年経っても、仕事は分からないことだらけであった。「これはカンペキに覚えたぞ!」とか、「自信を持ってできるようになったぞ!」と言えるようなことは何もなかった。

来る日も来る日も、闇の中を、か細いローソクの灯りと手書きの地図だけを頼りに歩いているような状態。目の前に道はないけれど、振り返ってみても、今まで自分が歩いてきた道もまた見えない。それでいて、しばしばローソクの灯りが突風で吹き消えたり、アクシデントに見舞われてケガをしたり*1、地図にない道に出くわして途方に暮れたりした。いっそ、迷い子のように助けを求めて泣き叫ぶことができたなら、どんなによかったか。

 

そう、私の今年1年を漢字ひと文字で表すならば、それは「迷」である。

 

今年で30歳になった。子どものころ、30歳の自分の姿を想像できた人はどのくらいいるのだろうか。学校を卒業して、何らかの職業――それは「将来の夢」と呼ばれるものであったかもしれない――に就いて、というところまでは想像できても、30代のリアルな姿なぞ思いもよらなかった。

独り立ちしたとはいえ、20代のうちはまだ「田舎には帰る家があり、そこには頼れる親がいて、自分はその子ども」という構図の中で安穏と暮らしてきた。要は大学時代の延長みたいな感じである。

しかし30にもなるとやはりいろいろなことを考える。親は老いてくるし、祖父母の代では亡くなる人も増えてくるし*2、田舎の実家はボロくなってくるし、周りではついにアイツも結婚した、アイツには子どもが生まれた、という話も聞こえてくる。

片や、自分にはパートナーはおろか、交際している異性すらもいない。なんとなく、たぶん30歳くらいには結婚して家庭を持っているだろうと思っていたのだが、浮ついた話の1つもなく30歳になってしまった。私は未だに「田舎には帰る家があり、そこには頼れる親がいて、自分はその子ども」の構図から脱却できていない。

しかも、その構図が崩れ始めていて、持ってあと10年か20年しかないのだ、という事実がだんだんと「実感」になってきた。この子が小学校へ上がるころには……成人するころには……みたいな「前向きな未来」はなく、親が死んだら精神的に頼れる家族がもういなくなってしまう、そうしたら実家はどうするのか、物理的な「家屋」だけではなく「帰る場所」も無くなってしまう――というような、「後ろ向きな未来」しか見えなくなってきている。

そこへ来て仕事の悩みである。本当に悩み、迷った。一時は本気で転職することを考えて、転職に関するサイトや書籍を読み漁ったり、これはと思う会社を実際に偵察*3しにいったりした。

そのうえで、どうせ転職するなら、いっそこれからは雪のないところで暮らそうじゃないかと、故郷から遠く離れた別の街で ”第2の人生” を始める青写真を描いてみたりもした。

 

……結果的には、理解のある上司や先輩のおかげで、以前の部署に戻れることになった。今の仕事がどうしても肌に合わないだけで、会社自体に愛想を尽かしたわけではないので、それならばと転職することはやめた。

こうしてひとまずは元の位置に戻れることになったわけだが、ただ、仕事に関してはマイナスからゼロになっただけだし、プライベートは何も進捗していない。

「人生ってオッさんになってからの方が長い」と『銀魂』に書いてあった。そうだろうと思う。0歳から30歳までの30年は、赤ちゃんから幼児、少年、そして青年へと肉体的にも精神的にも成長していくが、30歳から60歳までの30年はことごとくオッサンである*4。日々の健康に感謝しつつ、自分はどんなオッサンになりたいのか、よく考えなければならない。

たまには何もしない日があってもいいけれど、20代の1日と30代の1日はもう同じではないから、そういう日は「今日は充電デーだ!」としっかり割り切って過ごしていきたい。

北陸新幹線の車窓から

 

今週のお題「2024こんな年だった・2025こんな年にしたい」

 

 

*1:ここで言うケガとは比喩であって、本当に負傷したわけではない

*2:下手をすると両親と同年代でも!

*3:お客としてサービスを利用してみたり、社屋を外から眺めたり、会社がある街の雰囲気を感じたり

*4:しかも肉体は年々衰えていく