鉄路は西から東から

鉄分多めの日常とお出かけの記録

『ぼっち・ざ・ろっく!』は楽器と無縁のアラサー男性にも効く

どうもこんにちは。

はやりのアニメは、いつもはやりが終わったころになって視聴し始める性格でしたが、『ぼっち・ざ・ろっく!』(以下『ぼざろ』)は珍しく最新話に追いついて視聴しています。

ゆるキャン△』を見てキャンプを試したり、『かげきしょうじょ!!』を見て宝塚歌劇団に興味を持ったりする典型的ミーハーオタクであるところの私も、さすがにアラサーになってギターを始めようとか、バンドを組もうとは思いませんけどね(笑)。

bocchi.rocks

そんな私にも中学時代、アニソンが好きでバンドマンを目指している友人Nくんがいました。私自身は楽器はサッパリだったので、アニメのようにギターを始めて一緒にバンドを組むという発想は、当時からまったくありませんでしたが。

そのNくんから一度だけライブハウスに誘われたことがあります。しかも、一緒に聴きに行こうぜではなく、「こんど俺が出演するライブがあるからチケットを買ってくれ」という話。へえ、中学生なのにすごいなぁという気持ちと、チケットを買ってくれってどういうこと? と困惑したのをよく覚えています。そんな手当たり次第に「営業」しないとアカンのかいと。

するとどうもノルマがあるらしいという話で、演奏を聴きに行くといえば市民会館を借りてやる類のものしか知らない中坊の私は、ますます困惑。正直に言って彼の演奏自体にはさほど興味がなかったのですが、半分人助けのような気持ちでチケットを購入。値段は忘れましたが1,000円か1,500円か、まあそんなもんでしょう。

『ぼっち・ざ・ろっく!』1巻(はまじあき/芳文社)より

そして初めてライブハウスなる場所へ足を踏み入れたときの緊張。ノリノリの前列と玄人っぽい雰囲気を醸し出している後列の狭間で振る舞い方が分からず、肝心のNくんの演奏もこれが上手いのか下手なのかはよく分からず、ワンドリンク付きだったので細いグラスで出されたコーラを飲んで、高いコーラだったと思いながら帰りました。

こんなコーラなぞ飲んでも飲まなくても、と当時は思いましたが、ライブハウスは興行場だと許可が得にくいから飲食店扱いで開業するんだというくだりを『ぼざろ』で見て、なるほどなと納得した次第です。もともと知識や興味があったジャンルではないだけに、見れば見るほどギターやバンド、ライブハウスなどといったものに対する自分の「解像度」が上がっていくのがよく分かります。ああ、あれはこういうことだったのか、世のバンドマンたちはこういうことを考えているのか、みたいな。

『ぼっち・ざ・ろっく!』1巻(はまじあき/芳文社)より

Nくんからは作詞を依頼されたこともあります。ただし、ぼっちちゃん*1のように書き上げることはできず、私には0から1を生み出す才能が皆無であることを実感する結果となりました。

youtu.be

その後、彼とは仲が良いままに中学を卒業しましたが、高校は別になりました。しばらく一緒に遊んだりもしていたのですが、高校卒業後はそれぞれ故郷を離れたため音信不通に。はたしてNくんがどこで何をしているのか、大好きだった音楽にかかわる仕事ができているのかどうかも分かりません。

しかし、私が『ぼざろ』を見てそう思ったように、彼もいまどこかで『ぼざろ』を見て、ひたすらに青かった中学時代を懐かしんでいたらいいなと思います。

それから、私はこれまで「曲」は好きだけど「アーティスト」には興味がない、というパターンが多かったのですが、劇中で結束バンド*2が少しずつファンを増やして成長していくさまを見ていると、私も何か「推し」が欲しいなぁと思った今日このごろです。

……うーん。青春モノを見て自分もギターをやりたいじゃなく、頑張る誰かを応援したいと思うあたり、オッサンになってしまったんだな(笑)。若い衆を飯屋に連れて行き、どんぶり飯を食わせて「うまいか?」「ウマイッス」をやり始めるのも時間の問題かもしれません(笑)。

 

 

 

*1:主人公「後藤ひとり」のあだ名

*2:主人公たちが組むバンド名