鉄路は西から東から

鉄分多めの日常とお出かけの記録

47番目の和歌山へ。雪中南紀阿房列車(1)

2023年1月23日(月)

 名古屋仕立ての気動車特急「南紀5号」は、エンジンをゴロゴロ言わせながら、たったの2両編成で松阪駅のホームへ入ってきた。前の車両が指定席、後ろが自由席で、観光地へ向かう特急だというのにグリーン車はついていない。もっとも、どうせ私が乗車するのは自由席だから、ついていようがいまいが関係はない。

 松阪から乗車する客も少なくなかったため、1両しかない自由席の混雑具合がどんなものか分からずハラハラしたが、乗ってみるとなるほど、2両編成になるのもむべなるかなという乗車率である。一番後ろの海側の席にこれ幸いと腰を下ろしたところで、「南紀5号」はご自慢のカミンズエンジンを唸らせて軽快に松阪を発車した。

続きを読む

方向指示器ステルス化計画

どうもこんにちは。今回は久々にクルマの話です。

ステルス化といっても、合図を出さずに曲がってやろうという話ではありません。危ねぇからマジでやめろ。

何をしたかというと、スヰスポの方向指示器(ウインカー)のバルブを、新車装着時の純正品から「ステルスバルブ」というものに交換しました。

↑これがステルスバルブ。通常のウインカーバルブはオレンジ色に着色されていますが、これは内側だけオレンジ色、外側は薄い銀色に着色されています。こうすることで、消灯状態で見たときに灯器のオレンジ色が目立ちにくいというわけ。

ウインカーを換装するとなるとLEDにしようと考える人も多いのでしょうが、まずLED電球は値段が高いうえ、抵抗を間に噛ませたり、リレーを交換したりしないと高速点滅してしまう場合がある*1ので、お金と手間が案外かかります。


www.youtube.com

一方、このステルスバルブは外見の色が違うだけで、モノ自体は純正と同じ白熱電球なので、抵抗などを新たに取り付ける必要はありません。そのままポン付けでOKです。お値段はさすがに純正とは比べるべくもなく高いですが、それでもLEDに比べたら半分くらいで済みます。

実際に装着してみました。付け方は通常の電球交換と同じ。ボンネットを開け、灯器の裏側からソケットをひねって外し、バルブを付け替えるだけ。

ウインカーバルブ換装前

ウインカーバルブ換装後

どう……でしょうか。ヘッドライトの横についているウインカーバルブのオレンジ色が、若干目立たなく……なったような……気がします。

近くで見ると少し映り込みが残って微妙ですが、こうして引きで見るといいですね。ヘッドライトとの一体感があります。

点灯(点滅)させるとこんな感じ。車検対応品ということで、光り方はもちろん、明るさや色合いも純正バルブとほとんど変わりません。ステルスなのは、あくまで消灯しているときだけです。

ちなみに今回はフロントのみ交換しましたが、リアについては未定。まあ、リアは灯器が小さいので現状でもそこまで目立たないんだよな。

後ろは純正バルブのまま

ぶっちゃけ、交換したところで何か分かりやすいメリットがあるわけではなく、これに関しては「見た目がよくなった気がする」(”気がする”に傍点)程度の、完全に自己満足です。ウインカーバルブの色なんて、それが当たり前だと思っていれば意識にも上らないでしょうからね。

これまでにもいろいろ地味にイジってきましたが、くそデカいエアロパーツをゴテゴテ付けたり、灯器をゴッソリ交換するような派手なカスタムは御免蒙りたく、雪国だから車高を下げるなんてのも論外。なんだかんだ言って純正に近い姿が一番カッコいいと思っています。

パッと見は純正っぽいけど、見る人が見れば「おっ?」となるような、こういうお手軽カスタムを今後もチマチマと実践していこうと思います。

 

 

*1:これをハイフラッシャー現象、ハイフラという

令和と『ぼざろ』と鉄の道~聖地巡礼&651系乗車記

どうもこんにちは。

先日、東京へ遊びに行ったので、あれこれ乗り鉄をしつつ、下北沢にも立ち寄って『ぼっち・ざ・ろっく!』のプチ聖地巡礼をしてきました。

 

2023年2月22日(水)

 

651系乗車

今さら新幹線で東京まで往復してもおもしろくないので、まずは高崎で下車し、特急「スワローあかぎ8号」に乗り換え。

651系1000番台 特急「スワローあかぎ

来たる3月18日のダイヤ改正で、現在使用されている651系は退き、列車名も「あかぎ」に統一されます。

2023年 3 月ダイヤ改正について JR東日本高崎支社

https://www.jreast.co.jp/press/2022/takasaki/20221216_ta01.pdf

f:id:rockmansion:20230307164722j:image

651系は、1988年に常磐線の特急「スーパーひたち」としてデビューしました。国鉄からJR東日本へ変わって最初に造られた特急形車両で、在来線として初めて130km/hでの営業運転を開始。それまでの車両とはまったく違う純白のカラーリングから、「タキシードボディのすごいヤツ」というキャッチコピーで呼ばれました。

東日本大震災を経て、2014年からは活躍の場を高崎線に移し、通勤ライナーや温泉地へ向かう特急列車として走ってきましたが、前述の通り今年3月で置き換えが決定。後進のE257系にその座を譲ることとなりました。

車内の様子

JR初期の車両というのは、私と同年代であり、幼少のころから図鑑などで親しんだ存在でもあります。しかしながら、車齢30年を超え、引退・廃車となる例も増えてきました。

この651系は新潟出身の私には縁もゆかりもなく、乗ったこともありませんでしたが、JR東日本のエポックメイキングたる車両をこのまま乗らずに見送るのは惜しいと一念発起。上京に合わせて最初で最後の乗車を決行した次第です。

f:id:rockmansion:20230307164831j:image

特急料金節約のため赤羽で下車。グッバイ651系、フォーエバ651系。私は後続の上野東京ラインに乗り換えて東京駅へ向かいます。

 

国立公文書館

丸紅前の河津桜が咲き誇り、東京はもう春かと錯覚するような雲一つない快晴のもと、ビルの谷間をてくてく歩いてやって来たのは国立公文書館。ここでのお目当ては……

令和であります。

当時の菅官房長官が発表した新元号「令和」の書、その原本天皇誕生日を記念して特別に展示されたのを見に来ました。ちなみに、私が国立公文書館を訪れるのはこれが2回目。1回目は「平成」の原本を見に来たときです(笑)。

同時に行われていた企画展は「衛生のはじまり、明治政府とコレラとのたたかい」。江戸から明治にかけて猛威を振るったコレラに、時の政府はどう対応したのか。コロナ禍を生きる我々にも無関係ではないと感じました。

その後、東京へ来たときのルーティンの1つである書泉グランデへ立ち寄り、神保町から半蔵門線で渋谷に出、めちゃくちゃ久しぶりに京王井の頭線に乗って下北沢へ。

 

下北沢『ぼざろ』聖地巡礼

世のオタクに5億回撮影された構図の写真

下北沢はもっぱら小田急線で通過するばかりで、実は一度も降りたことがなかった駅。私が『ぼざろ』を見て印象に残った場所をいくつか簡単に巡ってみることにします。

フレッシュネスバーガー下北沢店

時間はすでにお昼近かったので、まずは『ぼざろ』オタクの定番、フレッシュネスバーガーで腹ごしらえですね。「アニメに出てきたっけ……?」と思ったあなたは鋭い。出てきていません。フレッシュのフの字も出てきていませんが、主人公・後藤ひとり役の青山吉能さんが熱愛するハンバーガーチェーンであり、自身のラジオで推しまくっていたらコラボが実現するなどして、聖地の1つのようになっています。

かく言う私、これまでフレッシュネスバーガーには行ったことがありませんでした。しかし、いい機会なので今回初訪問。声優に影響されて来店するチョロいオタクです。

初めて来たし、本命*1はとっくに終売しているし、ここは看板メニューの「フレッシュネスバーガー」のセットを注文。見た目はちょっとモスバーガーっぽい感じ。しかしバンズには北海道産の栗かぼちゃが練り込んであるそうで、大変うまい。

腹ごしらえを終えたら聖地巡礼スタート。最初はやっぱりここ、「下北沢SHELTER」。アニメでは「STARRY」の名前で登場したライブハウスです。うーん、文字こそ違えど、雰囲気はそのまんまやね。余談ですが、入口にはオタク除けだか何だか分かりませんがカラーコーン(右に写っているやつ)が並んでいるので、この距離からの撮影しかできませんでした。

続いてはコチラ。アニメ第4話で「アー写*2を撮ろう!」と言って結束バンド一行が街を練り歩いた末、たどり着いた場所です。ちょうど日差しが壁一面に当たっていい感じ。

私が訪問したときには、いかにもな風貌のオッサンが2人いて各々写真を撮りまくっていましたが、そのあとから女の子同士で来たらしいファンが続々とやってきて、安堵する(?)と同時にファン層の広さを実感しました。

「タイムズ下北沢第8」

この壁があるのは駐車場の敷地内ですので、入出庫のクルマにはご注意を。また、聞くところによると、ここら一帯は再開発のため消えゆく運命にあるそうです。訪問されたい方はお早めに。

もう1つ訪問。「マルシェ下北沢・本多劇場」です。作中だと「本丸劇場」の名で登場しました。サブカルクソ野郎御用達のヴィレッジヴァンガード*3もあります。

写真左には、ギターを持ったマッシュ……ではないですが、3人組がいますね。彼らの後ろには『ぼざろ』のポスターが貼ってありました*4

 

東急世田谷線乗車

全部巡ろうとするとキリがないので、今回はこのあたりで切り上げ、東急世田谷線に乗りに行きます。小田急線で下北沢から豪徳寺へ行き、すぐ近くにある山下駅へ徒歩で移動。

f:id:rockmansion:20230307195650j:image

世田谷線は、京王線の下高井戸から東急田園都市線三軒茶屋までを結ぶ路線。東急電鉄はほとんど門外漢の私、世田谷線も初めての乗車です。2両編成の小さな車体は路面電車っぽいですが、全線専用軌道(=線路のみ)で、道路と一緒に走る部分はありません。平面交差はあるけどね。

山下から終点の三軒茶屋まで乗車し、折り返します。そのまま下高井戸へ乗っただけではつまらないので、どこかで降りてみようと思い、松陰神社前で下車。

f:id:rockmansion:20230307195730j:image

駅から商店街を歩くこと数分。名前の通り、幕末の思想家である吉田松陰を祀った神社です。社務所は閉まっていたので、とりあえず参拝だけ。

f:id:rockmansion:20230307195838j:image

社殿の横には吉田松陰墓所もありました。

f:id:rockmansion:20230307195817j:image

参拝を終えて再び世田谷線に乗車。「幸運の招き猫電車」の編成でした。夕方のラッシュが始まり、学生などで車内は混雑していました。

その後、終点の下高井戸から明大前へ行き、本日2度目の井の頭線で吉祥寺へ。中央線に乗り換えて立川に投宿。久しぶりに会う友人と飲みに繰り出したのでした。

そうそう、彼も『ぼざろ』を視聴済みでしたので、ちゃんと下北沢で手土産を買って渡しておきましたよ(笑)。

友人に渡した手土産

 

 

*1:スパムバーガー

*2:アーティスト写真

*3:とか言ってるけど、私は長岡市リバーサイド千秋ヴィレヴァンがオープンしたとき以来のファンである

*4:って、帰ってからポスターの存在に気づいたけどな!オタクは視野が狭い!!

「津軽海峡・冬景色」を見に行く旅R(5)完結

前回はコチラ↓

rockmansion.hatenablog.jp

※記事の内容は旅行当時のものです。

2022年1月26日(水)

 旅行最終日。昼過ぎの飛行機で立たねばならぬので、それまでの間、函館市電に乗ってまた市内を見物してみようと思う。駅前ロータリーの外にある電停から、まずは湯の川行きに乗車。ちなみに函館市電に乗るのは今日が初めて。

 平日ではあるが、すでに通勤通学ラッシュは終わった時間帯だったので車内は空いている。路面電車は私から最も縁遠い乗り物の一つだから、ヨソからやって来てこの街の住人になったつもりで、あるいは路面電車のある街に生まれていたらどんな生活を送っていただろうか、と想像しながら乗ると楽しい。

 住宅街と温泉街が混然とした雰囲気の湯の川温泉を過ぎ、函館駅前から30分ほどで湯の川電停に到着。函館空港までは車で10分という距離だが、市電はここが終点となって折り返す。私も降りてみたところで用事はないし、めぼしい建物も見当たらなかったので、乗ってきた電車が「函館どつく前」行きになったのを確認して再び乗車した。

 来た道をトコトコ戻り、函館駅前を過ぎ、ベイエリアの最寄りである十字街で宝来・谷地頭線と分かれて、片道40分少々。もう一方の終点である函館どつく前に到着した。

 函館どつく。文字にするとなんとなく物騒な響きであるけれど、これは船の "dock" すなわち造船所のことで、古い表記をそのまま使用しているためこのような名前になっているようだ。

 さて、ここまで来たからにはもう1つ乗っておかねばならない。さっき十字街で分かれた宝来・谷地頭線である。函館どつく前からの直通列車はないので、いったん十字街へ戻り、函館駅前方面から来た谷地頭行きの列車に乗り換える。

 住宅街をゴトゴト走り、映画やドラマの撮影にも使われるという坂をソロソロと降りたら、終点の谷地頭電停である。谷地頭温泉という日帰り温泉や、函館八幡宮が周辺にある。

 電車を降りて見ると、今しがた下ってきた勾配がよく分かる。まるで海外のトラムといった風情であり、海に近く、港町・函館という意識もあるからますます絵になる。ロケ地に使われるのもうなずける。

 しかしあとで調べると、ここは実に58.3‰*1という急勾配だった。一般的な鉄道は25‰を限度とするのが原則だから、その倍以上の急坂を上り下りしていることになる。

 厳寒の北海道、潮風が吹きすさび、通常の倍以上の急勾配……。すごいなぁ、絵になるなぁで終わればいいものを、私のような人間になると嫌な連想をしてしまう。これもあとで分かったことだが、実際に1999年1月2日、この坂を下っている途中でスリップしてブレーキの利かなくなった列車が車止めに激突、それでも止まり切れずに待合室へ突っ込み、中で列車を待っていた5人が負傷する事故が起きている。

 おそらく、積雪期や波風の強い日は相当に神経を使うに違いない。運転士の気苦労に思いを馳せつつ、次は雪のない季節に来て、周囲を散策してみたいと思った。

 旅行の締めくくりとして、また十字街電停へ戻って来た。日本最古*2にして現役だというコンクリート電柱をしかと眺めてから、商業施設の立ち並ぶエリアへ向かう。

 この地域のランドマークは、明治期に建てられた赤レンガ倉庫をリノベーションしたショッピングモール。ここを中心に、おしゃれなカフェやらホテルやらが立ち並び、函館の一大観光地と化している。一見、どこにでもありそうなコメダ珈琲も、よく見ると看板の紳士が水兵の格好をしていておもしろい。

 おもしろいが、私も齢傾きて、こういうところを独りぼっちで歩くのは気が進まないようになってきたのは否めない。そういえば、平日だというのにアベックや家族連れも少なくないようだ。朝から寒い中を歩き回っているせいもあって、だんだんとむなしくなってきた。昼めしを食おうと思う。

 やってきたのは再びラッキーピエロ……ではなく、左横の「ハセガワストア」。函館市とその近郊に展開するご当地コンビニで、名物の「やきとり弁当」を販売している。注文票に個数を記入して待つこと数分、出来立ての弁当を店内でいただく。

 これが「やきとり弁当」。ご飯の上に海苔が敷かれ、タレをたっぷりまとったネギマが3本載っていて大変うまい。ただし、「焼き鳥」ではない。道南地方で「やきとり」と言うと、豚肉を串に刺して焼いたものを指す場合が多い。つまり「やきとん弁当」なのである。本物の(?)鶏肉のやきとりや、塩味のものなどもある。

 その後は路面電車函館駅前へ。駅の中でお土産などを購入し、函館空港行きのリムジンバスを待つ。今回は空路で帰るわけだが、羽田からは結局東京駅へ出て新幹線に乗らねばならぬし、実は新幹線を乗り継いで延々と陸路で帰っても、所要時間はそれほど変わらない。値段で言っても、飛行機の割引が渋ければ新幹線のほうが安い場合もある。「飛行機のほうが早いのに」「東京から北海道まで誰が新幹線なんかに乗るのか」と嘲笑う人は、きっと羽田空港から徒歩圏内に住んでいるのだろう。知らんけど。

 と、改札口近くに、私が昨日使った「いさりび1日カンパス」に関する掲示が出ているのを発見。

 ゆうべ、私を函館山から遠ざけた「まん延防止」のため、明日(27日)から割引乗車券類が発売停止となる旨の掲示であった。あと数日ずれていたら、夜の函館山どころか道南いさりび鉄道などに乗る計画もどうなっていたか分からない。危ないところだった……。

 今までは通過するばかりで、ちゃんと観光したことのなかった函館。前述の函館山のほか、五稜郭公園やミスタードーナツ*3にも行ってみたかったし、あるいは新幹線延伸で一部が廃止となる函館本線にも近いうちに乗らねばならない。摩周丸を見学したり、湯の川温泉に入ってみるのもいいだろう。ラッキーピエロハセガワストアの別メニューも食べてみたい。

 私を乗せた日航機はぐんぐん高度を上げ、今回の旅行で親しんだ街がミニチュアのように小さくなっていく。やがて白い雲に包まれて見えなくなってもなお、私は函館のことを考え続けていた。

 

おわり

 

*1:パーミル。1000m走って1mの勾配が1パーミル

*2:1923年建立

*3:函館地域のミスドは激安で知られる

【〒】福井田原町郵便局【局めぐ】

訪問日:2021年6月17日

 

27局目 福井田原町郵便局

福井田原町郵便局

〒910-0018 福井県福井市田原1-13-25

局番:33193

局舎外観

局名印

福井を旅行した際に訪問した、初の新潟県外局。田原町駅の目の前にあり、利便性は抜群。利用客がひっきりなしに訪れていた。