鉄路は西から東から

鉄分多めの日常とお出かけの記録

シェルをたずねて三千里

どうもこんにちは。

クルマやバイクにお乗りの皆さんは、普段どのガソリンスタンドで給油していますか?

エネオス、出光、コスモ……。特定のブランドにこだわる方もいれば、安けりゃどこでもいいよ、という方もいるでしょう。私は以前は出光派だったのですが、スイフトスポーツに乗り換えてからはシェルでのみ入れています。

というのも、実はスイフトスポーツはレギュラーガソリンではなく「プレミアムガソリン」、すなわち「ハイオク」指定だからです。

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しかしこの理由だけでは、「いやいや、ハイオクなんて他社でも売ってるでしょ? なんでシェル限定?」と訝しむ向きもあろうかと思います。そういう方は、以下の記事をお読みください。

mainichi.jp

有料記事だから読めねえよ、という方は、以下のほうが分かりやすいかもしれません。

bestcarweb.jp

そもそもハイオクとは、「高(=ハイ)オクタン価ガソリン」の略。「オクタン価」は燃えにくさを表す値*1で、これが高いほどノッキング(燃料の異常燃焼による振動)が起こりにくく、エンジンの挙動がスムーズになるため、本来の性能を引き出すことができます。また、ハイオクにはオクタン価をより高めるための添加剤や、燃えカスを取り除いてエンジン内をきれいに保つ洗浄剤も配合されています。レギュラーより値段が高い理由はこのあたりにあります。

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ところが、実際には添加剤がほとんど入っていなかったり、ガソリンを精製する製油所のタンクを各社が共用していた……というのが、上に貼った記事の要旨。すなわち、各社独自の配合や品質を謳い文句にしていたはずのハイオクが、スタンドへ配送されてくる以前の段階で、全部混ぜこぜになっていたことが暴露されたのです。

そんな中、あるハイオクだけは違いました。他社とタンクを共用せず、製油所からスタンドまで、本当に独自の配送ルートを保って高品質を貫いていたハイオクがありました。

それがシェルの「V-Power」です。

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出光昭和シェルHPより

私がこれを知ったのはスヰスポちゃんが納車される前。大いに感心し、「納車されたらシェルで入れよう!」と決意。以来、いつもシェルの「V-Power」のみを給油してきました。

ですが、そんなルーティンもまもなく終わろうとしています。出光と昭和シェルの合併により、スタンドからシェルのマークは消えて「アポロステーション」に統合され、「V-Power」は終売となってしまうのです。今般のハイオク騒動だけを見れば、皮肉にも悪貨が良貨を駆逐する結末となってしまいました。

今後は他社と混ぜこぜにされた、どこの馬の骨とも知れないハイオクを入れなければなりません。1年間、「V-Power」というブランドにこだわってきたのが無駄になるようで、一抹の寂しさと虚しさを覚えます。裏を返せば、もはやどのスタンドで入れても構わなくなったとも言えるでしょうけれど。

先日、近所にあったシェルのスタンドはついにすべてが「アポロステーション」に変わり、「V-Power」の取り扱いも終了してしまいました。

あと何回「V-Power」を給油できるのか。スヰスポちゃんとともに、残された孤高のハイオクを探し求める日々です。

 

 

*1:JIS規格でハイオクは「オクタン価96以上」と定められている