鉄路は西から東から

鉄分多めの日常とお出かけの記録

“旅は自由席”――暖冬道東一周旅行(2)

rockmansion.hatenablog.jp

第1回はコチラ↑

 

旅行2日目 2020年1月28日(火)

旅行2日目。まだ薄暗い中、ホテルをチェックアウトし、“しばれる”道を札幌駅へ向かいます。駅ではすでにラッシュが始まっており、列車が到着するたびに大勢の通勤通学客でごった返していました。

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そんな中、大混雑のキヨスクに並んで買った缶コーヒーを片手に、改札内の待合スペースのベンチに腰掛けて、自分の乗る列車の入線を待ちます。

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カバン片手に会社や学校へと足早に向かう人々と対照的に、じっとベンチに腰掛けてストーブを囲むのは、道内各地へ向かう長距離列車を待つ人々。大荷物を持った人も多く、出張らしきビジネスマンや、私のような旅行者ばかりです。静と動の入り交じる、早朝のターミナル駅の風景がここにはあります。

頃合いを見てホームへ上がると、まもなく列車が入線してきました。乗車するのは特急「スーパーおおぞら1号」。

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札幌から釧路へ向かう始発列車なので、平日とはいえ混雑するかもしれない。現に以前「スーパーおおぞら」に乗ったときは指定席だったが混んでいて、窓側は全部埋まっていたではないか。また、特に冬は道路事情が悪化するため、鉄道を選択する人が増えると聞く――と、いろいろなことを考えて心配になりましたが、フタを開けてみれば杞憂に終わりました。

札幌を発車した時点で、私の乗車した自由席車両は、1列おきに両方の窓側へお客が乗っている程度。率にして25%程度でしょうか。

まァ、長距離特急の場合は往々にして「万一、座れなかったら悲惨だから」と指定席を選ぶ客も多いそうですから、指定席のほうがむしろ混んでいたパターンかもしれません。

定刻通り札幌を発車。道央を横断する約4時間の長旅が始まります。新札幌、南千歳と停車して乗客を拾い、乗車率は4割ほどに。列車は千歳線と別れて石勝線に入ります。

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そろそろ朝飯にすっぺと、札幌駅へ向かう途中にあるセイコーマートで買ったおにぎりと総菜をバクバク食っているうちに、追分を発車。線路は夕張川と絡み合うようにグネグネと曲がりくねるようになり、ややスピードダウン。車窓も一気にローカルムードが増します。

札幌から約1時間で新夕張。かつてはここから夕張市の中心部まで「夕張支線」が伸びており、私も乗車したことがありますが、2019年3月をもって廃止されました。

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夕張駅に停車中のキハ40形、2014年8月撮影

夕張支線が発着していた3・4番線は使用休止になっているようですが、きちんと除雪してありました。また、旧夕張駅へ向かって伸びる線路はそのまま、標識類もそのままで、橋梁の通行禁止の看板がなければ廃止されたとは思えない雰囲気でした*1

トマムでは外国人旅行客の乗降が多くあり、次の新得へ。

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札幌から約2時間、時間的にはここが折り返し地点です。滝川方面へ向かう根室本線との分岐駅で、石勝線は一応「終点」ですが、列車は釧路方面へ直通します。

ちなみに根室本線はここ新得~東鹿越間が現在*2も不通となっており、代行バスでの運行。実質的には分岐駅ではない状態が続いています。

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新得から十勝平野へ差しかかり、車窓は再び北海道らしい広大な風景へと変わります。雪がほとんどなく、地表が見えているような状態でしたが、やはり例年より少ないのでしょうか。

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帯広に到着。札幌都市圏を出てからはのどかな風景しか目にしていなかったので、大都会ですねぇ。ここで下車する人も多いものの、それと同じかそれ以上の乗車があり、体感での乗車率はあまり変わらず発車。

最後の停車駅であるワインの町・池田を出ると、次はいよいよ終点の釧路。と言っても、ここからまだ1時間かかります。だから列車は1時間走りっぱなし。

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しばらく走ると右手に太平洋が見えてきました。実は、これが見たくて札幌からずっと右側に座っていたのですが、ようやくここで拝むことができました。な、長かった……(笑)。天気がいいので、青い海と青い空、白い雲とのグラデーションが美しい。

そして札幌を出てから実に4時間、とうとう釧路に到着しました。釧路駅へ降り立つのは約5年ぶり2回目です。今日はここに宿泊します。

しかし時刻はまだ11時。いくらなんでもホテルへ行くには早すぎる。というわけで、根室行きの快速「ノサップ」に乗り換え、さらに東を目指します。

13分の乗り継ぎの間に一旦改札を出て、コインロッカーを探して荷物を預け、昼食を調達し、座席を確保しなければならないのですが――それはまた次回。

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つづく

 

 

*1:余談だがGoogleマップ上でも夕張支線の駅や線路の跡は残っている、2020年7月現在

*2:2020年7月現在

自販機の丸焦げトーストサンドを食った回

どうもこんにちは。

先月、新潟県での移動自粛が解除されたのを機に、夜勤明けの同期を道連れにして、以前から気になっていたレトロ自販機のあるお店へ行ってきました。

新潟県燕市の「公楽園」です。

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国道116号沿いにあり、自販機コーナー、ゲームコーナー、そしてホテルが一緒になったドライブイン。年季の入った佇まいは、ホテルというより、洋画に出てくる「モーテル」のような風情。

NHKの『ドキュメント72時間』やドラマなどにも登場しているので、ご存知の方も多いでしょう。

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中に入ってみるとこんな感じ。飲料の自販機はもちろん、冷凍食品やカップ麺の自販機もありますが……。

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お目当てはこれ。「トーストサンド」の自販機。お金を入れてボタンを押すだけで、できたてアツアツのトーストが出てくるって寸法です。

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メニューは「ハムサンド」と「チーズサンド」の2種類で、どちらも250円。サンプル画像が変色して白黒写真みたいになっています(笑)。

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ではさっそく、ハムサンドの方を……と思ったら、まさかの10円玉と500円玉使用禁止。つまり、この自販機では100円玉と50円玉しか使えません。

500円玉はともかく、10円玉使用禁止って地味にハードル高くないっすか? 1つ250円という価格設定なのに……。

幸い、私の場合は財布に100円玉も50円玉もあったので事なきを得、ボタンを押して調理開始です。

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小窓には「トースト中」のランプが点滅。残り時間の表示はないので、いつできあがるのかワクワクしながら待ちます。

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取り出し口で唐突にガチョン! と音がしたら完成の合図。

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外見はこんな感じ。箱やビニール包装などはなく、アルミホイルに包まれた状態で出てきます。もちろん非常にアツアツ! ヤケドしないように端っこを持ってテーブル席へ。

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アルミホイルをはがすと……見た感じ丸焦げです(笑)。ていうか、トーストがアルミホイルにくっついて崩壊しているんだが(笑)。

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そ~っとめくってみると、具はハムが1枚だけ。潔い。うん、確かに「ハムサンド」に違いない。それ以外の何物でもない。

同期は「チーズサンド」を買っていましたが、単にこのハムがスライスチーズになったものでした。同じ値段だけど、ハムサンドより質素なのでは?(笑)

味は……うん。想像通り。ウマいかマズいか二択で言えば、まあ、ウマい。珍しさもあって、250円なら一度は食べてみる価値アリでしょう。

しかし、どうせならハムとチーズ両方挟んで「ハムチーズトースト300円」にすれば、50円玉を用意する必要もなくて良さそうなもんですが。300円じゃ買わんか!

ちなみに、同期に「この自販機が家と会社の途中にあったら買う?」と聞いたところ、「…………買わないと思う」だそうです。正直でよろしい。

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今回は買いませんでしたが、冷凍食品やカップ麺の自販機も年季が入っていていいですね。冷食の自販機はフェリーの船内や高速のSAなどでも見かけますが、この「美食倶楽部」なるブランドは初めて見ました。「新潟産」とあるので県内企業が調製しているんでしょうか。

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左のカップヌードル自販機は販売だけ。お湯は出ませんので、用意されたポットから注ぎましょう。

そして右の「カップリーナ」に至っては販売すらしていません。一応、電気はついていますがただの飾り。ラインナップにあるカップ麺は管理人さん(店内入って右の管理人室に常駐?している)から現金で買えるようです。自販機の意味ねえ。

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食後は薄暗いゲームコーナーを見物。ほとんどがパチンコ、スロット、アーケードゲーム(麻雀、格ゲー多し)でした。麻雀ゲーは勝つとムフフな展開になるっぽかったですよ。知らんけど。

それからクレーンゲームもありましたが、景品はなんとAV。ええ、アダルトなヴィデオです。我こそはという猛者はぜひ挑戦していただきたい。

……まァ、どうしても今夜のオカズが欲しいだけなら、わざわざクレーンゲームに挑まずとも、店に向かって左側の入り口に販売機もあるんだけどね(笑)。

最後に名刺の写真を。

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管理人が常駐していると書きましたが、基本セルフサービスの店であっても、管理人さんは部屋にこもってダラダラしているわけではなく、トーストサンドの在庫をチェックしたり、こまめに店内の掃除をしたりと、我々の滞在中にも忙しく立ち回っておられました。

そんな中を、私が特段許可も取らず店内の写真を撮りまくっていたので、しまいには怒られるかなと思ったのですが、怒るどころか「次回はぜひ宿泊してみてください^^」と言ってこの名刺を渡してくださいました。ありがとうございます。

今後泊まる機会(と勇気)があるかどうかは分かりませんが、実際に宿泊した人の話もネット上にはゴロゴロありますので、気になる人はぜひ。

www.another-tokyo.com

令和を迎えた今も昭和の匂いムンムンのお店でした。

 

 

「三日・三月・三年」の三年までもがとうとう過ぎたわけだが

どうもこんにちは。

皆様、ゴールデンウィークはおうちでいかがお過ごしでしたか。

私はと言いますと、今になって『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』にドハマりしまして、毎日、自宅にいながらハイラル旅行を楽しんでおりました。

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ゲームのスクリーンショットより

買ったのは今年の1月だったのですが、なんとなくやる気が起きず、それから2ヶ月以上放置。ようやく少しずつやり始めたところ、進めるにつれてだんだんとおもしろくなり、さらに緊急事態宣言による外出自粛もあいまって、ここ半月ほどはゲーム三昧の日々です。

ちなみに私のゼルダ遍歴は、かの名作『夢をみる島DX』と、ゲームキューブの『4つの剣+』のみ。『時のオカリナ』や『ムジュラの仮面』、『トワイライトプリンセス』などの大型タイトルは未履修という偏食家です(笑)。そういえば『夢をみる島』は最近リメイクされたようですが、こちらには手を出していません。

 

さて、今年の4月1日をもって、私が社会人になってから丸3年が経ちました。3年前にこんな記事を書いていましたので、引用します。

新社会人についてよく言われるのが、「三日・三月・三年」という言葉。

入社して3日目。就活中に抱いていた理想と現実のギャップに気づく。

入社して3ヶ月。研修なども終わり、新たな職場に配属されたり、一人で仕事を任されたりするようになる。自分はこのままずっとこの会社でやって行けるのだろうか、仕事が向いていないのではないかと悩み、退職してしまう人もいる。

入社して3年。すっかり仕事にも慣れたけれど、毎日が単調で先行きに発展性がない。他にもっといい仕事があるのではないか、と転職を考える。 

rockmansion.hatenablog.jp

この記事を書いたのは、入社してから約3ヶ月の時点。記事を全部読んでいただくとお分かりの通り、めちゃくちゃネガティブなことばかり書いてありますね(笑)。

これは本来のキャリアコースなら最低1年以上の経験を積まないと配属されない部署へ、会社の都合により入社わずか1ヶ月弱で配属され、まだ右も左もよく分かっていない状態なのにベテランだらけの部署で揉まれながら、一応は見習い期間を終えたときのものです。

いやはや、慣れないことばかりで当時は本当にストレスフルでしたね。会社を辞めて農業でもやろうか、と同期と冗談混じりに慰めあっていたのが懐かしい。

 

あれから3年経ちました。

入社して3年。すっかり仕事にも慣れたけれど、毎日が単調で先行きに発展性がない。他にもっといい仕事があるのではないか、と転職を考える。

……今、これには当てはまっていません。やったね!

何故かと言うに、わりと変化が大きい3年間だったおかげかな、と。詳しくは書けませんけれど、任せられる仕事の内容は様変わりしました。例えるならば、最初はウェイターだったのが今ではコックを務めるくらい。きっと同業他社の人が見たらびっくりする”出世”ぶりだと思います*1

あとは部署の人間関係が良かったのが大きい。仕事内容よりも、むしろこちらが重要だったりしますよね。

もちろん、中には苦手な人もいます。しかし、みんな向いている方向は同じなので、致命的な対立にまで至らずに来られたのだと思います。唯一、惜しむらくは”ロマンス”がないことですかね……(笑)。

 

現状、今の仕事は肉体的にも精神的にもキツい部分は多々ありますし、単調と言えば単調ですが、目指す先はまだまだあり、発展途上という感じです。いまだに失敗も多いしなぁ。よくこれでやれていると自分でも思いますよ。

また今般のコロナ禍で、仕事に支障をきたしている方も多いと思いますが、私の仕事は良くも悪くもまったく変わらず。多忙にもなっていませんが余暇が増えてもいません。だから給料も変わらず。実にありがたい話ではあります。まァ、会社の財務状況(収入面)はだいぶヤバそうですが……。

ですので、ここで辞めるなんてもったいない。この一言に尽きます。10年、20年という長いスパンで見たら分かりませんけれど、しばらくは今の仕事を続けたいと思っています。

最後に、今の私の心境と全く同じことをTwitterでおっしゃっている方がいたので、勝手に共感して勝手に引用させていただきまして、今回の締めといたします。ぶっちゃけ、私の駄文をここまで読まなくても、こちらのツイートだけ読んでもらえれば、3年経った今書きたかったことは全部詰まっています(笑)。

 

*1:出世と言ってもいわゆる”偉くなった”わけではない

“旅は自由席”――暖冬道東一周旅行(1)

どうもこんにちは。

 

大学に入ってから初めて訪れ、以後は毎年のように行っていた北海道。しかし就職してからはいろいろと忙しく、まとまった休みを取れない時期もありましたのでご無沙汰でしたが、今年の1月、およそ3年半ぶりに行ってきました。

現在、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっていますが、この旅行をした当時はまだ中国国内がその主な舞台で、他国でもポツポツと感染者が確認され始めた程度。「中国でヤバいウイルスが流行ってるんか。インフルエンザとかも怖いし、念のためマスクして行こ」と、旅行前に近所のドラッグストアで数枚入りのマスクを買ったのがもはや懐かしい。あのとき買い溜めしておけば(笑)。

今やしばらく新しい旅行もできない情勢ですので、北海道旅行の写真を見返しながら旅行記をしたため、うちで過ごす慰みにしようと思います。

早くこのコロナ禍が収束して、元のように旅行ができますように。

 

旅行1日目 2020年1月27日(月)

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旅行初日。薄曇りの直江津駅からほくほく線の快速越後湯沢行きに乗車。終点の越後湯沢駅上越新幹線「たにがわ406号」に乗り換え、一路東京を目指します。

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終点、東京駅。京浜東北線浜松町駅へ向かい、さらに東京モノレール羽田空港第2ターミナル駅へ。東京に住んでいた頃はとにかく安い京急か、ラッシュを回避するためリムジンバスでしたが、地方から新幹線で上京する現在はもっぱら東京モノレールです。

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京浜東北線の快速に乗れば東京から一駅だし、浜松町駅での動線が短いし、あんまり混んでいないし、どんどん来る列車にとりあえず乗れば、目的地は羽田空港一択だから分かりやすいし。ビルの谷間を抜け、都市高速を跨ぎ、トラックを追い越しながら運河のほとりを上へ下へ駆けて行くさまはさながらアトラクションのようで、旅の高揚感を増す格好の装置であります。

そうして羽田空港第2旅客ターミナルに到着。ここからエア・ドゥ新千歳空港行きに搭乗します。地元*1新潟空港ではなく、わざわざ羽田空港に来たのはこれに乗るため。ではなぜエア・ドゥに乗ったかというと……それは後ほど。

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時刻はお昼前。フライトの約1時間前に空港へ着いて、搭乗手続きをしたり保安検査を受けたりしていると、店に入って腰を据えて昼食を取る時間もあまりなく、結局売店でサンドイッチを購入。機内で食べることにしました。

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12:50、定刻通りドアクローズ。昨年秋の九州旅行以来の飛行機。飛行機というのは、自分自身にとって今も昔も一番縁遠い乗り物で、乗るときはいつもワクワクドキドキしますな……。

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機内で食べたのは、つきじ丸武の親子サンド。一口サイズの玉子焼きサンドとチキンカツサンドが入っています。売店には北海道の空弁なんかもありましたが、現地でうまいものを食べようと思って我慢我慢。

約1時間半のフライトで、空路恙無く新千歳空港へ着陸しました。約3年半ぶりに北海道へ上陸です。

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ここからは列車で札幌へ向かいます。搭乗券を握りしめたまま、まずは新千歳空港駅みどりの窓口へ。ここでエア・ドゥの使用済み搭乗券と、年齢が分かる身分証明書を示すと……。

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はい。これが今回の旅のきっぷ。「AIRDOひがし北海道フリーパス」です*2

連続する5日間、フリーエリア内のJR北海道の列車が乗り放題。普通・快速列車に加えて、特急列車の自由席も利用できるという気前の良さ。これを買うための条件が、エア・ドゥを利用して、その使用済みの搭乗券をみどりの窓口で提示すること。新潟空港エア・ドゥが就航していませんので、一旦上京して、羽田からエア・ドゥに乗ったのです。25歳以下なら画像の「U25」となり、さらに安く買えます。

ちなみにピーチ・アビエーション利用でも同様のきっぷが買えますが、ピーチに乗るにはさらに遠い成田空港まで行かねばならんので、羽田から乗れるエア・ドゥにしました。

もうすぐ26歳になる私、実は道東地方はまだ釧路にしか行ったことがなく、根室も網走も北見も知りません。これが「U25」を買える最後の機会になると思い、今回はこのきっぷで道東を旅して行きます。

と言いつつも、今日はこのあと札幌のホテルにチェックインするだけ。その前に、新千歳空港の中をウロウロすることにしました。飛行機から降りて、きっぷを買ったらそのまま次の列車に、というのが常だったので、まともに空港内を散策してみたことがありませんでした。

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最初に「雪ミク スカイタウン」を見学。正直、私は初音ミクにはまったく興味ありませんが、会社の同期で初音ミクが好きなやつがいるので、羨ましがらせよう話の種にしようと画策。お土産も買いました。

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途中で国内線ターミナル内を撮影した写真。平日であることに加え、中国からのインバウンド客が激減していたので、やや客足が少ない感はありましたが、まさか今のような事態になるとはつゆほども思わず。

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土産店を冷やかし、飲食店を物色し、歩き回っていたら暑くなってきたので、ベンチに座ってソフトクリームを食べることにしました。十勝産の生乳で作っているんだとか。暖房がよく効いている中で食うアイスはうまいですね。

家にゐるとさう行かないが、旅行に出れば私はアイスクリームばかり食べてゐる。

 ――内田百閒「春光山陽特別阿房列車」より

散策を適当なところで切り上げて、さて、「ひがし北海道フリーパス」に入鋏。小樽行きの快速エアポートに乗車します。721系でした。

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沈む夕日を車窓から眺めているうちに、あっという間に札幌駅着。ホテルにチェックインし、夕食を取ります。どうせフリーきっぷだから、新千歳空港に戻ってもいいかなと思っていましたが、面倒くさくなり、結局ホテル近くの「松尾ジンギスカン」へ行くことにしました。松尾ジンギスカン、名前は知っていましたが行くのは初めて。まだ時間が少し早かったおかげもあり、店内は空いていて、お一人様でも気兼ねすることなく入れました。

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で、これがそのジンギスカン。勝手が分からないのでスターターキット的なものを注文し、初めは店員さんに焼いてもらって食べました。野菜もとれて大変うまい。

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お供はノンアルコールのハスカップソーダ

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シメはうどんが定番だそうなので、これも注文。鉄板の端に残った脂とタレを白い麺が吸って、いい色合いになったら食べ頃です。

だんだん混んできたので、さっさと切り上げてホテルに戻りました。明日は早起きして特急に乗り込み、道東方面へ向かいます。

 

つづく

 

 

*1:といっても上越からじゃ他県に行くぐらいの距離があるけどね

*2:使用後に自宅で撮影

志村けんさんの訃報に接して

どうもこんにちは。

 

毎日ブログを書く時間があるわけではないので、残念ながら今の私は時事ネタに反応してすぐ記事にするバイタリティーを持ち合わせていないのですが、これには触れずにいられませんでした。

 

www3.nhk.or.jp

 

志村けんさんが亡くなりました。

これまで数多の芸能人の訃報を耳にしてきた中でも、もっとも衝撃を受けました。まるで、身近にいる親戚のおじさんが亡くなったような喪失感に襲われています。

新型コロナウイルスに感染して入院していたのは知っていましたが、国内でも毎日毎日何十人も陽性が確認され入院している現状、感覚が鈍ってきていたせいもあって、志村けんさんも「大勢のうちの一人」だと思っていました。また、罹患しても必ずしも死亡するような病気ではないこともあって、きっと快方へ向かうと信じていました。

発症から死去までわずか2週間足らず。「急逝」と言っていいと思います。

 

20代半ばの私にとって、志村けんさんは何と言っても「バカ殿様」。

小学生の頃は、年に数回の放送を毎回楽しみにしてテレビの前に座り、腹を抱えて笑いました。昭和というおおらかな時代の残り香か、時にはウブな少年(私)が赤面してしまうような下ネタもありましたが、『ボボボーボ・ボーボボ』は教育に悪いと言って見させてくれなかった父親ですら、バカ殿に関しては何も言わずに一緒に見ていたのは、やはり父もまたドリフに育てられたテレビっ子だったからでありましょう。

私自身は『8時だョ! 全員集合』や『ドリフ大爆笑』をリアルタイムで見ていた世代ではありませんが、たまに特番で名場面集などが放送されると、両親とともにそれを見ていました。当時の思い出――それは番組の内容だけではなく、それに付帯した少年少女時代の家庭事情なども含めて――を語る父や母はいつも楽しそうでした。

 

 

昭和から平成、そして令和へ。3つの時代を駆け抜けた喜劇王は、「茶の間」で「テレビ」を見ながら「家族団欒」するという「文化」を今に伝える生き証人の一人であったのでしょう。

 

そして志村けんさんの死で、あらためて新型コロナウイルスの脅威を感じた人は多いのではないでしょうか。かく言う私もその一人です。

一人暮らしなので同居の家族にうつす・うつされる心配もなく、特に若者は持病でも無ければ重症化するリスクは低いだろうと判断して、大して怖い病気だと考えていませんでした。手洗い・うがいは励行していましたが、これも新型コロナウイルスがどうこうではなく、普段の風邪予防の習慣を、ちょっと余計にやっている程度の感覚しかありませんでした。

だから、正直言ってどこの誰かも知らない高齢者が亡くなったという報を聞いてもまったく現実感が湧きませんでしたし、イベントの開催に加えて、外出すら自粛するよう求める政府や自治体の首長の対応を「過剰なもの」と感じていたのは事実です。一時、世間の空気も「もう収まりつつあるんじゃね? ちょっとずつ再開しても大丈夫じゃね?」みたいな雰囲気になりましたね。

しかし、あの志村けんさんが亡くなった、それもわずか2週間足らずの出来事だと聞き、新型コロナウイルスが「無差別殺人ウイルス」であるということを痛感させられました。今回のコロナ禍を世界規模の戦争に例えている人もいますが、一般市民だけでなく、政治のリーダーや王侯貴族のような富裕層の人間も等しく感染しているところを見ると、ある意味では戦争より恐ろしいもののような気がしてきます……。

 

明日から新年度ですね。私は社会人4年目に突入します。今のところ、幸か不幸か――いや、明日の飯の種もどうなるか分からない人がいる中では、間違いなく幸運でしょう――仕事は特にヒマにもならない代わりに忙しくもならず、まったく普段どおりの生活を送れているので、このまま新型コロナウイルスなんぞに負けずに新年度を迎えたいと思います。

「喪に服す」というわけではありませんが、私は今日と明日の2日間の休日を、外出せずに過ごそうと心に決めました。このところ、自分以外の用事で遠出をすることも多かったですし。自宅でゆっくり過ごします。微力でも一人ひとりが少しずつ我慢することで、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めをかけることが出来たなら、志村けんさんが命と引き換えに遺してくれた教訓は、きっと無駄にはならないでしょうから。

 

じゃ、今からちょっとリモートワークでハイラルを救ってきますわ。

 

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