鉄路は西から東から

鉄分多めの日常とお出かけの記録

越路ドライブ2019夏

 どうもこんにちは。

 今年に入ってから、まだあまり車であちこち行っていないことに気づき、とりあえず富山方面へでも行ってみるべえと計画を立てたのがお盆のすぐ後。

 しかしお盆まではアホみたいに晴れて猛暑続きだったのが、終わった途端に雨模様に。富山方面は天気のいい時に行った方がきっと走りやすいし画になるだろうと思い、逆方向の長岡方面へ行ってみることにしました。

 

柿崎川ダムを眺める

 と言っても国道8号でひたすら行くのも面白くないので、地図とにらめっこしてみたところ、柿崎から柏崎へ抜ける峠道を発見。途中にはダムがあるらしい。

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 こちらがその柿崎川ダム……が作り出した湖、柿崎湖。そのまんまやんけ。

 管理棟のすぐそばには職員のものらしき車が2台止まっているものの、平日の午前中、今にも雨が降り出しそうな天気も相まってか、一般向け駐車場には車も人もいません。催してきたのでダムの向こう側へある公衆トイレまで歩いて行ってみましたが、戻ってくる途中で雨が。お、降ってきた、と思ったらすぐザーザー降りに。まだ車まで100mくらいあるんスけど。

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 濡れねずみになりながら車に乗り込み、峠を越えて柏崎市へ。信越本線に沿って長岡方面を目指します。

 

長鳥駅に寄り道

 鉄道(JR信越本線)と道路(国道8号)とでは、柏崎〜長岡間で通っている場所が全く違います。そのため、今回はあえてメインルートである国道8号を外れ、信越本線に沿った道路で行ってみることに。主要地方道11号柏崎小国線といいます。

 途中で長鳥駅に寄り道。柏崎〜長岡間でもっともショボ……いや「秘境駅」感のある駅です。降りたことはなかったので、この機会に訪問。

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 駅前に車を止めて……と思ったらアプローチはこの狭さ。軽なので入れなくはないですが、こんなところを登って行ってUターンできなくなったら困る。仕方がないので近くの空き地にこっそり駐車。怒られたら謝ろう。

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 駅舎全景。飾り気のない、コンクリ造りのごく小さなものです。駅舎は道路より一段高いところにありますが、ホームはさらにもう一段高いところにあります。

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 そしてこちらがホーム。せ、狭い! 上り線と下り線の隙間に作られたホームの幅は2mほどでしょうか。狭小ホームの駅としては、新潟県内には他にえちごトキめき鉄道日本海ひすいライン親不知駅がありますが、あちらと違って長鳥駅のホームには屋根もありません。それどころか点字ブロックすらありません。

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 ホームへ至る通路はご覧の通り。ホームも狭いが通路はもっと狭い! 大の大人がすれ違うには、体を横にしなければなりません。まァ、利用者の少ない山間の駅にあって、そう頻繁に乗車客と降車客がすれ違うシチュエーションはないでしょうが……。

 同じ信越本線でも、お隣りの越後広田駅や塚山駅は2面3線の立派な構内を持つ駅ですが、なぜ長鳥駅はこんなに「狭い・小さい」という形容詞が多いのか。その理由は、かつて長鳥駅が信号場だったという出自にあります。当初は駅ではなく、ただ列車がすれ違うためだけの「長鳥信号場」でしたが、住民の長年の請願と費用負担によってついに駅へ昇格したのです。

 すなわち、上下線の隙間に設けられた狭いホームは後付けであり、建設費を抑えるためこのサイズになりました。また、こぢんまりとした駅舎*1や、それに至る細い道路などは、周囲の駅のように初めから集落の顔として整備されたものではなく、住民たちの手によって勝ち取られた「難産」の跡と言えるでしょう。

 

塚山峠を越えて

 駅の見学を終え、車に乗り込みます。集落を過ぎると道は徐々に細くなり、カーブと勾配の多い峠道になっていきます。長鳥駅の隣、塚山駅の名前の由来にもなっている塚山峠です。柏崎〜長岡間最大の難所であり、冬季は積雪のために信越本線の運行にも影響を及ぼすことがあります。

 線路と付かず離れずしながら塚山峠を越えると、長岡市に入ります。道路は国道404号へ。国道404 not found……道が存在しなくなりそうだな、などとくだらないことを考えてニヤニヤしていると、なくなるどころか岩塚製菓の工場を発見。さらに、工場の隣には直売所があるらしい。

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 直売所。いい響きですね。煎餅なぞ特に食べたくなかったのに、思わず買ってしまいました(笑)。

 

宝徳山稲荷大社に参拝

 岩塚製菓のある越後岩塚駅周辺には、もう1つランドマークがあります。「宝徳山稲荷大社」です。信越本線の車窓からもわずかに見えるので、ここを通るたびに気になっていた方も多いのではないでしょうか。

 かく言う自分もその一人。とうとう参拝しました。

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 第一印象としては、社殿がとにかくデカい。車窓からもその大きさの想像は出来ましたが、目の前で見ると圧巻です。建物は全て鮮やかな紅白でハッキリと塗り分けられているため、周囲とのコントラストも強烈。こんな小高い山の上にこんなに派手で巨大な建物が鎮座しているとは……罰当たりを覚悟で悪く言えば、新興宗教のようでもあります。

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 しかし宝徳山稲荷大社は、起源をさかのぼると縄文時代にまでたどり着く、由緒正しいお社だとか。それならば安心(?)ですね*2。もっとも、県内には「弥彦神社」という最大最強のライバルがいるので、こちらの知名度は今ひとつという印象……。

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 で、初めは本宮の入口にある賽銭箱に小銭を投げ込んで終わりにしようと思ったのですが、「宝徳大社はローソク祈願の神社です」という案内とともに、奥のほうでは色鮮やかなローソクの灯りがユラユラと揺れています。空いていることもあり、せっかく来たんだから……と勇気を出して上がり込み、受付にいた巫女のおねいさんから10本300円のローソクを購入。緑・赤・黄・白・紫の5色が2本ずつ入っていて、これを神前の左右に5本ずつ立ててお参りするそうです。

www.houtoku.or.jp

 本宮での参拝後に外へ出ると、手水舎の隣で、何やら神職が真新しい軽自動車に向かって大幣を振りかざし、祝詞を上げています。その後ろには、車の持ち主らしき家族の姿。どうやら新車を買ったらここでお祓いをして、交通安全の祈願をする習わしらしい。ははあ、中越地方でしばしば見かける宝徳山稲荷大社の赤いステッカーを貼った車、あれはここでやっていたのか。

 奥宮にも行かなければ片手落ちだとは分かっていましたが、すでに時刻は正午を回り、腹も減ってきたので、長岡市街へ向かうことにしました。

 

長岡市内をウロウロ、そして帰宅

 ここから先は蛇足みたいなものです。とりあえず昼食はスシローへ。

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 なんで長岡まで来てスシローなんだよと思われそうですが、だって家から一番近いスシローがここか長野なんだもの……。くら寿司、はま寿司、かっぱ寿司上越にもあるけどスシローはないんだよね。

 その後はリサイクルショップと家電量販店を何軒か冷やかしてから小千谷へ。カインズホームへ寄り道。

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 ここも「あれが欲しい!」という確たる目的があったわけではないですが、だって家から一番近いカインズが(以下略)。ホームセンター大好きなんです、私。

 小千谷からは小国経由で柏崎に出て、国道8号を南下。小千谷と柏崎、意外と近いんですね。最後は上越市内の渋滞を避けるため、柿崎ICから高速にチョイ乗りして帰りました。ちなみにこれがデイズちゃん高速デビュー。ターボなので力負けせず快適でした。

 

*1:現在の駅舎は昭和51年に建て替えられたもの。それ以前は信号場の施設を流用していたらしい

*2:「宝徳山稲荷大社」でググると「宝徳山稲荷大社 怪しい」とサジェストが出るのは草