鉄路は西から東から

鉄分多めの日常とお出かけの記録

惜別、追憶、115

どうもこんにちは。

3月11日をもって、JR東日本新潟支社管内から115系電車が引退しました。「115系」と聞いてピンと来なくても、新潟県民ならば誰もが知っているはずの車両です。

12日からのJRダイヤ改正に伴い、信越線、越後線などで親しまれた列車「115系」が11日、46年間の定期運行を終えた。同車両は老朽化で全国的に廃車が進み、JR東日本管内で営業運転しているのは新潟県のみだった。

引用:https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/36852

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国鉄時代から46年間。通勤に、通学に、お出かけに、親子三代に渡って利用してきた方もいるのではないでしょうか。北は羽越線から南は上越線信越線と、県内ほぼすべての電化路線で活躍し、まさに「新潟の電車」の代名詞であったわけです。

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直江津駅停車中の115系。2007年8月撮影

私にとってもそれは例外ではありません。故郷の十日町市には115系は走っていませんでしたが、飯山線ほくほく線普通列車が「1両ないし2両」「ワンマン列車」「平成生まれの車両」なのに対し、115系は「基本3両以上」「ツーマン列車*1」「昭和生まれの車両」と、いわば普段見慣れている車両たちとは対極に位置する存在。列車でお出かけして、六日町や越後川口などで上越線に乗り換えると、そこはもう非日常の空間なのでありました。

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115系車内。天井には扇風機があった。2014年8月

私が中学生、高校生になって行動範囲が広がった後も、依然として新潟は115系の天下。列車で出かけるとなると、ほぼ必ずどこかで115系に乗車することになります。

「えちごツーデーパス」で新潟市へ遊びに行った帰りに利用した夕方の信越線は、3+4の7両編成(!)でしたね。115系を置き換えた現行車両のE129系や、トキ鉄ET127系の朝のラッシュ時でも最大6両編成ですから、もう7両以上の普通列車は新潟地区に登場することはないでしょう。

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塗装の異なる車両同士の併結も醍醐味だった。柏崎駅にて。2018年8月

大学受験の折、会場のある新潟市へ向かう115系の中で、不安と闘いながら英単語帳と2時間ひたすらにらめっこしたことも、今ではいい思い出です。

大学入学後、2014年に新型車両E129系がデビュー。いよいよ引退へのカウントダウンが始まったわけですが、同じく115系の天下だった長野や高崎が中古車両(211系)であっという間に置き換えられたのに比べると、新製ということもあってかそのペースは遅く、結果として2022年まで延びることになります。

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新潟駅の高架ホームでE129系(左)と並ぶ115系。2022年1月

2015年には北陸新幹線、トキ鉄が開業。新潟県内の鉄道を取り巻く環境はガラリと変わりましたが、妙高はねうまラインには直通列車が設定され、引き続き115系が新井まで乗り入れることになりました。車齢40年を超えんとする老体がまさかの快速運用*2に大抜擢され、爆音を奏でながら県内を縦断する姿に度肝を抜かれたオタクも多いことでしょう。

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上越妙高駅に停車中の新井快s……快速???2020年10月

そして徐々に活躍の場を減らしつつも、しぶとく生き残っていた新潟地区の115系が、2022年3月11日をもって引退したのであります。

とはいえ、引退してすぐスクラップというわけでもなく、3月26・27日には新潟車両センターにて有料の撮影会が開催され、7種類のカラーリングと事業用車143系が一堂に会して好評を博したようです。

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おそらくJR東日本としても115系の歴史や人気には思うところがあるはずで、今後改めて「さよならツアー」などが企画される可能性はあります。そうなれば、県内でもう一度その雄姿が見られるかもしれません。

新潟県からは姿を消したものの、すぐお隣の長野県ではしなの鉄道115系が活躍中ですし、JR西日本でも中国地方の線区ではバリバリ現役です。ですから115系という形式が完全に消えたわけではありませんが、新潟で生まれ育った鉄道オタクの一人として、また一つの時代が終わったなと思い筆を執りました。

あなたの思い出の中の115系は何ですか?

 

 

*1:車掌が乗っている列車

*2:通称「新井快速」