鉄路は西から東から

鉄分多めの日常とお出かけの記録

いいから黙って『かげきしょうじょ!!』を見ろ

どうもこんにちは。

今さらながら、昨年夏に放映されたアニメ『かげきしょうじょ!!』を見たら大変すばらしく、ドハマリしてしまったので、未見の方はぜひご覧ください。

 


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……という話を膨らませて書こうと思います。結論は上に書いた通りなので、以下は蛇足です。

 

「今期は何が覇権を取るかな!?」と、季節の変わり目ごとに鼻息も荒く片端からアニメをチェックする習慣はないので、世間様がすっかり忘れたころに見始めることになってしまい、だいたい半年~1年、下手をすると数年単位で遅れてハマることになります。

最近だと『映像研には手を出すな!』もその1つで、放映(2020年)から1年以上経ってAmazonプライムビデオで視聴し、こりゃあいいもんだ今年一番のアニメだと感動したのが昨年の話。

そして年が明けて2022年。例のごとくAmazonプライムビデオにて、ウォッチリストに入れたまま塩漬けになっていた『かげきしょうじょ!!』の見放題があと数日で終了すると言われ、あわてて視聴を開始したところ、こりゃあいいもんだ今年一番のアニメだと感動した次第です。

 

あらすじ

大正時代に創立された「紅華歌劇団」は、未婚女性達のみで構成され、美しい舞台で人々の心を魅了する劇団である。神戸にある劇団員の育成を目的とした「紅華歌劇音楽学校」では、毎年難関を突破した女学生が入学してくる。渡辺さらさをはじめとする第100期生は、希望や葛藤を抱えながら未来のスターとなるべく、日々奮戦する。

出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

 

――要するに宝塚がモデルなんですね。暴力行為や破壊活動で理想を実現しようとする少女の話ではありません*1もともと演劇を観るのは結構好きなので、いつか宝塚も行ってみたいなぁと、うっすらボンヤリ考えていた私。

しかし原作が少女マンガだという先入観もあり、女の園で繰り広げられるギスギスドロドロした諍いや、「お姉さまと私」的なめくるめく愛憎劇を想像し、「男が見てもおもしろいんか? 共感できるような内容なんか?」と食指が動かなかったのが、ここまで引っ張ってしまった理由でもあります。

物語は、元・国民的アイドル「奈良田 愛」と、いろいろ型破りな少女「渡辺 さらさ」のダブル主人公の出会いから始まります。が、一人だけ空気の読めない振る舞いを繰り返すさらさは、愛はもちろん周りの同期生からも総スカン。画面の前の私も同じで、違うアニメから出てきたような見た目の奇抜さも相まって、「ホンマにこいつ難関を突破したんか?」といらだたしさを感じるほど。ぶっちゃけ、1話の時点ではあまりピンと来ませんでした。

とはいえ1話で切るのは気が早いだろうと、続く2話も視聴。するとどうしたことか、みるみる深みにハマっていき、あっという間に3話も視聴。

そうして3話まで見終わった時点ですでに夜更けだったので、とりあえず一旦寝て、翌朝再開。そのまま4話から最終話(13話)まで一気に見てしまいました。いやはや、こんなに集中してアニメを見たのは久しぶり、いや初めてかもしれん。原作が少女マンガだからどうのこうのと御託を並べていた自分が恥ずかしい。

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もう4話からは毎回必ず泣いていましたね。特に5話はあまりに感動しすぎて、最終話まで全部見た後にわざわざもう1回見て、もう1回号泣しました。小野寺先生マジでカッケェっす。オネェ言葉の変なオッサンとか思ってすいませんでした。

物怖じせず破天荒な主人公さらさにも、人生の方向性を大きく左右させられたトラウマやコンプレックスがあることがわかりましたし、その他の同期生のエピソードもグッと来るものばかり。みんな、さまざまな逆境をさまざまに乗り越え、普通の高校生として生きる道を捨てて、夢を追ってここまで来たんやなって。オープニング曲の歌詞とシンクロしまくりです。もう夢を追う立場ではなくなったサラリマンにはまぶしすぎます。俺は明日もビジネスだバカヤロー!


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現実の宝塚音楽学校は「女士官学校」なんて揶揄されたこともあったそうです。劇中の紅華歌劇音楽学校もまた、厳格な上下関係に加え、周りがみんなライバルという環境から、いやな人間ばかりかと思いました。でも、そんなことはなかったです。……本科副委員長の約1名を除いて。

まァ、その約1名も、委員長が強く言えない場面で汚れ役を務めているのだと評されていましたし、本来は女の園にもっと渦巻いているはずの「負の部分」のシンボルとして、業を一身に背負わされている存在なのかもしれませんね。知らんけど。

ていうか、先輩も同輩も「ライバル」だけど「敵」ではないのです。時にはケンカをしたり、嫌味を言ったりもするけれど、いずれは紅華歌劇団という舞台を一緒に作り上げる仲間だと自覚しているからこそ、最後は互いに納得したり、折り合いをつけたりして、また力を合わせて課題に立ち向かっていきます。

人より優れていなければトップには立てない。でも、ふるい落とされた友にも手を差し伸ばさなければならない。なぜなら、舞台は一人だけで完成するものではないから。そして、それができる者こそがトップにふさわしい人物ということになるのでしょう。今度はエンディング曲の歌詞とシンクロしまくりです。本当にいいエンディングだな。


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それもそのはず、実際の宝塚の劇中音楽も作曲されている方が担当しているとか。マジかよ。本物に寄せてるんじゃなくて、もう「本物が寄せに来てる」んじゃん……。

 

……なんだか語っているうちに取り留めがなくなってきました。あ、泣けるシーンばかりじゃないですよ。笑えるシーンもてんこ盛り。他のアニメのパロディなんかもあって、思わずニヤニヤしてしまうこと請け合いです。

半年遅れでハマった私が言うのもおかしいですが、まだ見ていない人がいたらぜひおすすめしておきます。そしてアニメ2期が決まった暁には、次こそ必ずリアルタイムで追います。あと、できれば今年中に本物の宝塚歌劇を観に行きたいですね。

それじゃ、私は原作をシーズンゼロから読む作業で忙しいので、今回はこのへんで。